■ 楽曲解説
ヴィエニャフスキ 「華麗なるポロネーズ」第1番 作品4 ニ長調(Wieniawski Polonaise brillante No.1 op.4 D dur)
印象的なポロネーズのリズムで始まるこの曲はポーランド出身の大ヴァイオリニストであるヘンリク・ヴィエニャフスキ(1835−1880)、18歳の頃の作品です。民族的特徴を生かした優美なメロディーです。
ヴィエニャフスキはパリ音楽院で学んだ後、演奏活動を開始、広く欧米を巡演します。また、途中、ロシアに招かれ、ロシア・ヴァイオリン学派に大きな影響をもたらすことにもなります。しかし、1872年からの2年間にわたる北アメリカ公演により、膨大な報酬を手にしたものの、ヴィエニャフスキは健康を害してしまいます。彼はその後も演奏活動を続けますが、次第に健康状態は悪化し、ついには演奏会途中で倒れる、演奏会中断といった状況に追い込まれます。
派手な生活が祟ってヴィエニャフスキの晩年は経済的に困窮し、友人たちが彼の期限切れ寸前の生命保険の保険料を賄うために救済演奏会を行うこと取り決めます。それは、ヴィエニャフスキが没する1ヶ月半前、チャイコフスキーの後援者であるフォン・メック夫人の館での出来事でした。
「華麗なるポロネーズ第1番」は彼の惨めな晩年とは対照的に若々しく華やかで心浮き立つ感じがします。ヴィエニャフスキはヴィルトゥオーゾであると同時に、素晴らしい音色を持った聴く者を虜にするヴァイオリニストでした。
共演:桑生美千佳
(M.S.)
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松浦 奈々 Nana Matsuura:ヴァイオリン Violin
1984年生まれ。七歳よりヴァイオリンを始める。
桐朋女子高等学校音楽科を経て、桐朋学園大学卒業。
1997年第51回全日本学生音楽コンクール大阪大会中学の部第一位。
2000年第54回全日本学生音楽コンクール東京大会高校の部第三位。
2003年第15回宝塚ヴェガ音楽コンクール弦楽器部門第一位。
東京クヮルテットをはじめジュリアード弦楽四重奏団、フェルメールクァルテット、バルトーククァルテット等のマスタークラスを受講し、現在、弦楽四重奏団「クァルテットNats」、「レガーメ弦楽四重奏団」の両メンバーを務める。
これまでに、いしかわミュージックアカデミーにてジェラール・プーレ、パスカル・ロジェの各氏、サントリーホールにてツェトマイヤークァルテットと共演。
「プロジェクトQ」第1章〜4章、JTアートホール室内楽シリーズ、鎌倉ゾリスデン、宮崎音楽祭等に出演。
工藤千博、原田幸一郎の両氏に師事。
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